ベイトタックルを使ってシーバスを釣る魅力

2018.6.3

なぜベイトタックルを使うか

シーバスはスピニングタックルで十分釣れます。

スピニングタックルなら飛距離も出るし、トラブルも少なく、快適に釣りを楽しめます。

なのに、なぜあえてベイトタックルを使うのか。

ベイトタックルなら太い糸が使える。

スピニングでは飛距離が出にくい太い糸。

これがベイトの場合、スピニングとは逆に飛距離も出てトラブルが少ないというメリットがあります。

特に、ナイロンやフロロのようなモノフィラメントで太い糸の場合、

シーバス釣りでよく使われる PE ライン 1.0 号前後を使う場合リーダーが必ず必要になります。

そしてこのリーダーが傷んだり切れたりしたらリーダーを組み直さなければなりません。

PE ラインとリーダーの接続、リーダーとスナップの接続。

なれていても組み直しは数分かかるでしょう。

初心者の場合、10 分、15 分とかかるでしょう。

ベイトタックルでナイロン、フロロ直結なら、傷んだ部分を切って、スナップと接続するだけですぐ再開できます。

シーバスゲームでは一瞬の時合で 1 本取れる取れないかが決まります。

釣り場でノット組み直しによるロスは避けたいです。

ベイトタックルには太めのモノフィラメントライン(ナイロン、フロロ)直結が快適に使える。

この他にも、

といったメリットがあります。

ベイトタックルを使う理由で理屈っぽいのは、ここまでです。

実際、ベイトタックルでシーバス釣りをしている、殆どの人が次の理由です。

キャストが決まったときの気持ちよさが異常。

理屈は抜きにして、これだと思います。

キャストしてラインをコントロールしながらピンポイントにルアーを落とせたとき。

キャストのとき、ロッドにしっかりとルアーのウエイトが乗り、カタパルトから射出したかのようにルアーがぶっ飛んだとき。

スピニングタックルでは味わえない高揚感があります。

ベイトタックルはシーバスが釣れたとき、キャストが決まったとき、2 度楽しめる。

これこそが、理屈を抜きにしたシーバスゲームでベイトタックルを使う理由です。

ベイトタックルのデメリット理解する

ブラックバスなりでベイトタックルを使った事がある人はわかると思いますが、ベイトタックルを使いこなすにはアングラーの技量が問われます。

バックラッシュする。

ベイトリール最大のデメリットはバックラッシュです。

おそらくバックラッシュ=試合終了のイメージが有り、敬遠している人が多いと思います。

スピニングに飛距離で負ける。

スピニング × 細い PE ラインの飛距離が驚異的なのは事実です。

ベイトタックルでラインを細くしてもトラブル量>飛距離なので、メリットがほとんどありません。

バックラッシュの克服

ベイトタックルで最大の鬼門、バックラッシュをへらす方法について書きます。

サミングでどうにかする方法は練習するしかないので、知識でカバーできる内容は、

順番に説明します。

キャストしない。

キャストしなければ釣りが始まらないだろうと思いますが、シーバスゲームではキャストしない釣り方があります。

岸壁ジギングと言うやつです。

メタルジグを岸壁の際に落としてフォールで誘ったりしゃくりあげで誘ったりするアレです。

もう一つは、テクトロ。

岸壁の際にメタルバイブやスピンテールを落として岸壁と平行に歩いて誘う釣りです。

この 2 つについては、片手でラインを送り込めるベイトタックルにベストマッチす。

スピニングタックルではラインを送り込むのが片手で出来ないので、ベイトタックルの専売特許状態です。

しかもそこそこ釣れるというおまけ付きで、この釣法のためにだけにベイトタックルを揃える人もいます。

ブレーキを締める。

当たり前ですが、ブレーキを締めればバックラッシュしません。

遠心、マグ、DC などのメインブレーキを締めたり緩めたりする人は多いですが、案外メカニカルブレーキはスプールがカタカタしない程度にしている人が多いのではないでしょうか。

メカニカルブレーキを少し締め込み、クラッチを切ったときにルアーがゆっくり落ちるくらいにしておくと、驚くほどにトラブルが減ります。

そして、案外飛距離が落ちません。

ナイトゲームでベイトタックルを使う場合、メカニカルブレーキを強めに設定して着水後のサミングすら必要ない設定にしておけば快適に釣りができます。

ラインを太くする。

基本的にベイトタックルの場合、ラインは太ければ太いほどトラブルが少なくなります。

どのくらいの太さにすれば良いかというと、必要な飛距離分だけ下巻きなしスープルにピッタリ巻ける太さ。

ミノー主体でゲームを組み立てる場合、ミノーが出せる飛距離は 50m 前後になります。

つまり最低 50m ほどラインを巻いておけばゲームが成立するわけですが、ランカークラスがかかりドラグを出させる可能性を考えるとマージンとして 20 ~ 30m くらいはプラスでほしいので、80m ほどのラインを巻いておけば安心だと言うことになります。

シマノ製 150 版クラスのベイトリールならナイロン 16lb が 100m 巻けます。

号数にして 4 号程度です。

安定性を上げたい場合はナイロン 20lb をスプールいっぱいに巻いて置けば殆どの大物に対応出来ます。

こちらは号数にして 5 号程度です。

ナイロンを使うかフロロを使うか悩むところではありますが、20lb クラスになると巻グセが馬鹿にできなくなるので、しなやかな ナイロンラインを使用することをオススメします。

150 番クラスのベイトリールはドラグが最大でも 5 ~ 7kg 程度なので、ドラグを強めに締め込んでも、ラインの強度のほうが強いので単純な引っ張り合いでラインブレイクは起こりにくいです。

ちなみに、浅溝のスプールの場合はあまり糸が巻けないですが、最低ナイロン 8lb(2 号程度)であれば、60cm くらいまでは楽勝で、それ以上は腕次第になります。

タモは必須です。

軽いルアーを使わない。

ロッドのパワーにもよりますが、シーバスゲームで多用する ML クラスのロッドであれば、10g 以下のルアーを使用するのは諦めましょう。

もちろん、サミングテクニックや高性能なベイトリールがあれば 10g 以下のルアーも投げられますが、少し扱いがピーキーになります。

使用するルアーは 10g 以上、できれば 15g 以上のルアーをメインに使用するとバックラッシュは激減します。

もしくは、ロッドのパワーを落として、L クラスにすれば 7g くらいまで軽くしてもトラブルなく扱えますが、重たいルアーが使いにくくなるので、トレードオフです。

キャストフォームを改善する。

スピニングタックルの場合、キャストするときのフォームが悪くてもルアーはそれなりに飛びますが、ベイトタックルの場合はフォームが悪いとバックラッシュします。

特にバックラッシュしやすいのはテイクバックからキャストに移る間にルアーが暴れてラインのテンションが抜けた場合です。

普段、スピニングタックルを使っている人がベイトタックルに移行する場合はキャストのとき、全体的にゆっくりと一定速度でテイクバック~キャストを行うようにしてください。

なれてくれば、ロッドの曲がりを感じながら徐々に加速してキャストすることで飛距離を伸ばしていけます。

軽いルアーを使わないのところで書きましたが、ルアーが軽いとロッドの曲がりを感じにくいため、はじめはおもためのルアーを使って練習してください。

ML クラスであればウエイト上限いっぱいの 30g 前後のルアーをゆっくりキャストすることから始めると良いです。

テイクバックからキャスト時のロッドの動きは、頭上で円を描くように投げるとテンションが抜けにくく安定します。

飛距離の問題について

ベイトタックルの上級者であれば、スピニングタックルに引けを取らない飛距離を出せるようになり、また、飛距離に関する知識も付くため飛距離に対する意識はなくなります。

飛距離に対する意識ですが、実際シーバスが釣れる場所はどこでしょうか。

ナイトゲームであれ、デイゲームであれ、シーバスが釣れる多くのポイントは何らか変化のあるところの際が多いです。

デイ、ナイト、共通なのは岸壁や橋脚、障害物などストラクチャーの際。

漁港であれば、入り口付近の流れに変化があるところ。

こういった地形や潮に変化があるポイントは大体の場合、岸からせいぜい 50m 付近にあることが多いです。

特に岸壁狙いであれば、ほぼ 0m となのでキャストすら不要です。

ナイトゲームの場合は、街灯の明かりが作り出す明暗の境目。

街灯は岸にありますから、作り出される明暗の境目もせいぜい 50m 圏内に出来ます。

磯ゲームなどは足元がもろのポイントになりますので、少し後ろに下がってキャストしたほうが魚に警戒されず良かったりします。

ではサーフの場合はどうなのか。

サーフというと超遠投が必要なイメージがありますが、サーフも意外に 50m 程度の場所で釣れることが多いです。

50m 圏内に駆け上がりがあるポイントもたくさんありますし、離岸流を見つけられれば、50m 圏内で釣れることも多いですし、流れを使っていくらでも沖に流していけるので飛距離を稼がなくてもシーバスに出会えます。

10cm ~ 14cm 程度のルアーを 50m も飛ばせられればシーバスは釣れる。

まとめ

バックラッシュが起こったりと小難しいイメージのベイトタックルですが、正しい知識と少しの練習で快適なシーバスゲームが出来ます。

ベイト × ナイロンで大物を掛けたことがありますか。

ナイロンラインに大きな負荷が掛かったとき、キーンと言う糸鳴り。

ドラグが出たとき、スプールから発せられるナイロンのメキメキ音。

とにかく、

ベイトタックルでシーバスを釣ると最高に楽しいです。

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